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南條愛乃、実直なアーティスト活動の集大成 5周年記念ライブで見せたデビュー作『カタルモア』の完成図とは?

 南條愛乃が12月25日にパシフィコ横浜国立大ホールで開催した『南條愛乃 5th Anniversary Live -catalmoa-』は、彼女のこれまでのアーティスト活動を総括する一夜だった。同公演では、南條の5年間に及ぶアーティスト活動の完成形を見るとともに、その中心には2012年12月に発売されたデビューミニアルバム『カタルモア』があることを再認した。当日のセットリストは『カタルモア』と、今年11月まで開催された『Yoshino Nanjo Live Tour 2017 <・R・i・n・g・>』にて惜しくも披露されなかった楽曲を中心に構成。クリスマスの夜にふさわしい南條からの歌のプレゼントを、ファンは朗らかな笑顔とともに受けとった。

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出典:声優:「南條愛乃」ワンマンライブ「Yoshino Nanjo 1st LIVE TOKYO 1/3650 ミンナとつながる365日×???」レポート | 声優|アニメ情報とショップ&コミュニティ -プレセペ-  

 そんな同公演は、南條の歩みを辿るべく『カタルモア』のスタートナンバーである「blue」によって幕開けとなった。5周年ライブにふさわしい見事な選曲だ。続けて、1stフルアルバム『東京1/3650日』より「believe in myself」、『カタルモア』収録のキラーチューン「飛ぶサカナ」で会場を盛り上げたのち「Precious time」を披露。「飛ぶサカナ」はライブでもたびたび披露されるが、5年前に開催された『カタルモア』リリース記念インストアライブと比べ、南條のアーティストとしての成長と余裕を、彼女の伸びるような歌声から感じることができた。

 

 続いて披露された「0 -未来-」「今日もいい天気だよ」は、2ndフルアルバム『Nのハコ』を携えたツアーの終盤にて歌唱された楽曲。自身のブログタイトルと同名の「今日もいい天気だよ」を改めて聞くことで、デビュー当時からの変わらない南條のファンと向かい合う姿勢を感じられた。また、アコースティックギターの柔らかな音色が南條のハイトーンボイスと混ざり合う同曲は、最後に<晴れの日だけじゃない毎日も「いい天気だな」って思うんだよ。 急に不思議なこと話したね。だけど、ずっと前から思ってた。>というフレーズをリフレインすることで、南條の優しい人柄が楽曲に寄り添っているような印象を抱いた。このブロックでは「Garbera」が締めの曲を担い、続くアニメタイアップ楽曲コーナーへと繋げられた。

 

 続いて南條は「君が笑む夕暮れ」「あなたの愛した世界」「黄昏のスタアライト」を立て続けに披露。「君が笑む夕暮れ」は、1stシングルということで特に思い入れのある作品であり、初回のレコーディングの際には緊張ゆえに上手く歌い切れなかったとのこと。後日、声優をクビになる覚悟で再レコーディングを依頼した際、あっさり快諾され拍子抜けしたというエピソードも語られた。

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出典:南條愛乃が創る“私の見え方” 声優として、アーティストとして、活躍を続ける彼女がパシフィコ横浜で見せたパフォーマンスとは | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

 バンドセッションを挟み、次に披露されたのは事前に南條のファンクラブである「ごきんじょるの 友の会」にてアンケートが取られた、今回のライブで聞きたい楽曲トップ3だ。これらの楽曲は、その大半を南條も披露しようと事前に思っていたことが、後ほどのMCで明らかにされた。そんなアンケートで選ばれたのは、出演作『ラブライブ!』で自身が演じたキャラクターである絢瀬絵里を想いながら南條が作詞した「Simple feelings」、『Nのハコ』収録のポップチューン「idc」、そしてファンの間でも人気の「リトル・メモリー」だ。「idc」では、<bad girl? idc!>というフレーズが「祝!5周年!」とアレンジを施され、南條の遊び心が詰まったダンスパフォーマンスも披露された。また、自身の実家でのエピソードをモチーフとしたセンチメンタルなポップス「リトル・メモリー」では、間奏でまさかのプレゼント配布を開始。サンタとトナカイに扮したダンサーが客席に登場し、チロルチョコを配り歩いた。一方、その間を南條がMCで繋ぐという小粋な演出も。これらのサプライズは、南條の5年間のキャリアから生まれる余裕ゆえなのだろう。このほかにも、同日のライブではとにかく南條のMCが光り、2012年に開催された自身初のバースデーライブ『南條愛乃 Birthday Eve acoustic live event 』の時とは人が変わったかのような饒舌さに、経験とは恐ろしいものだと感じさせられた。そんなサプライズの後に披露されたのは、中島美嘉雪の華」のカバーだ。続けて、同じく冬を題材とし、今回のライブのために制作したと語る「白い季節の約束」を歌唱。あわせて、南條の楽曲でも特にメッセージ性の強い「優しくつもる言葉の花」「+1day」の2曲も披露された。 

 

 ライブ終盤に差し掛かり、「ここまであっという間だったでしょ!」とMCを挟んだ後、南條が作詞を担当し、人との繋がりの多様性を描いた「ゼロイチキセキ」、南條の代表曲であるアップテンポな「きみを探しに」が披露された。もはやライブではお決まりとなった<愛してる>というフレーズのシンガロングが横浜の夜に響き渡り、本編は終了した。

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出典:南條愛乃ライブ・ツアー“Yoshino Nanjo Live Tour 2017 <・R・i・n・g・>”ファイナル公演レポート – リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

 アンコールでは、3rdフルアルバム『サントロワ∴』より「スキップトラベル」「・R・i・n・g・」を披露。さらに、ダブルアンコールも行われ、今回のライブタイトルにもなっている「カタルモア」が遂に披露された。同曲を歌唱する際、南條は自身のアーティスト活動への想いを吐露。「ファンの日常に溶け込むような楽曲を制作してきた。それぞれが変化していく生活のなかで、その一瞬を共有できたら嬉しい」という旨を南條は語った。「リトル・メモリー」曲中のMCでも感じられたが、南條のライブはとにかくファンとステージ間の雰囲気が独特だ。例えるならば「ご近所」や「親戚」という表現が似つかわしく、それはまさに『カタルモア』リリース時に南條が目指していた、ファンとの関係性そのものなのだ。南條は続けて「5年越しに『カタルモア』のライブをようやく行うことができた」と、これまでの歩みを噛みしめるかのように語ってくれた。同公演は、とにかく実直な道を歩む南條のアーティスト活動の大きな成果なのだろう。最後に、最新曲「光のはじまり」を披露し、南條の過去と現在、そして未来を繋いだこの日のステージに幕が下りた。 

 

 南條は、デビュー作である『カタルモア』を5年掛けてようやく完成させた。シンガーとしての成長、バンドメンバーとの強い信頼、ファンとのあたたかなひととき。その全てが、南條によるアーティスト活動の実直さにあるのだろう。「ファンの帰ってくる場所として、アーティスト活動が続けられればいい」と語る姿は、『カタルモア』リリース時と変わらない南條のままであった。リリース当時、アルバムを再生した際、開始30秒が街の雑踏にまぎれてしまい「このCD、まさか何も録音されてないのか…」と思ったこと、リリースイベント時に「アーティスト活動をはじめたばかりだから、みんなでノリ方を見つけていこう」と語った南條の笑顔。南條のアーティスト活動のひとつの節目とともに、筆者の2012年からの想いが、ようやくひとつの終着点に辿り着いた気がする。南條は今後、どのようなアーティスト活動を展開していくのか。きっと今後も変わることはないのだろう。そんな南條愛乃との毎日は、本当に楽しいものだ。