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内田彩、自身のアーティスト活動にアップデートを掛けたライブ『ICECREAM GIRL』

はじめに <ライブに足を運ぶこと>

私は音楽が好きで、ライブによく足を運びます。

いきなりですが、コンサートプロモータズ協会のホームページによると、昨年は総計29,862本のライブが敢行されたそうです。

そのうち、私は今年、いくつかのライブに足を運びました。

さて、皆さんがライブに行かれるとして、その理由はどのようなものですか。

娯楽をはじめ、時には失恋や暇つぶし等々、様々な理由はあると思います。

ただ、私の場合、それは元気をもらいたいからという理由に帰結する気がします。

今日も私はたくさんの元気を貰ってきました。そんな話をしようと思います。

 

『AYA UCHIDA LIVE 2017 ICECREAM GIRL』

さて、内田彩さんのワンマンライブ「AYA UCHIDA LIVE 2017 ICECREAM GIRL」に参加して参りました。

9月13日に発売された声優・内田彩さんの3rdフルアルバム『ICECREAM GIRL』を引っさげてのワンマンライブです。それもなんと2日間。初日終了後に「いや、これ以上はもうないでしょ」と思わせられつつも、「これ明日もあんのヤバイな!」と完全にバイブス負けしてしまいました。

さて、今回のアルバムはアイスクリームのように様々な味、色、食感が味わえるくらい多様な楽曲が詰まった、活動3年目の今だからこそできる、これまでの活動を活かした作品を作ろうというのがコンセプトだと御本人が語られております。そのお言葉通り、本当に多彩な楽曲が多く、既存の36曲と合わせてセットリストを組んだ際に、「これも来るのか…!」「次これか〜!!」と、ハズレのないくじ引きをしている気分になりました。

今回の記事では、思うところが会った箇所をピックアップし、少しずつ所感を綴っていこうと思います。

 

「これまで」と「これから」が詰まったセットリスト

アルバム『ICECREAM GIRL』の登場により、内田さんの持ち曲は48曲へと大幅に更新されました。これにより、今回のライブはアルバム順通り披露、既存曲が披露される回数も少ないのでは、と感じておりました。これ、全くの杞憂でした。今回のライブにおいて、同アルバムの楽曲は上手いことセトリに溶け込んでいました。

アルバムの世界観を一気に表現する「What you want!」はライブの開幕を高らかに謳い、続く既存曲の「Party Hour Surprise!」へとバトンを繋げる役割も果たしました。Holiday」では、80sピアノロックにマッチしたメルヘンな街並みのセットを稼働。ベーカリーや書店のセットが動き、バンドメンバーが登場するという演出にも唸らせられました。

一方、今回のアルバムは『ICECREAM GIRL』というどこかふわっとしたタイトルにそぐわず、「Under Control」以降に差し掛かるに連れ、どこか重く深い雰囲気を持つ作品が多いと言われていました。その点も上手く消化され、後半部にまとめて披露されました。「ピンク・マゼンダ」や「Yellow Sweet」へと繋げられることで、感情の振り幅というものを大いに表現できていたのではないかと思います。

 

「アップルミント」の立ち位置

ライブ序盤、日替わり曲を披露ののち、「ここから盛り上げていきます!」とバイブス宣言を内田さんがなされました。盛り上がる曲ということで、「Bitter Kiss」とかからアッパーな曲を引っ張って来るのかと想像しておりました。この数秒後、度肝を抜かれます。

流れ出したイントロは聞き覚えのある音。それもそのはず。ここで披露されたのは、彼女のアーティスト活動を根強く支え、コンテクストの中心とも言える楽曲「アップルミント」でした。Oasisでいうところの「Don't Look Back in Anger」みたいなもんです。「それ、ここでやるんですか??」と思ってしまいました。

しかし、実際に会場のボルテージは急上昇。会場の熱は確かに上がりました。

後述しますが、私はこれを彼女の活動が『SUMILE SMILE』『ICECREAM GIRL』のリリースを経て、一区切りされた証拠なのだと考えています。

これまで、「アップルミント」はライブの頭、もしくは終盤で披露される機会が多々ありました。しかし、前述の2作が誕生したことで、「アップルミント」をそこに置かずとも闘える、強いアーティスト性が生まれたのだと思います。エモい曲枠は「SUMILE SMILE」に譲られた。「アップルミント」の系譜があったからこそ生まれた「SUMILE SMILE」の存在する今だからこそ、『ICECREAM GIRL』というライブだからこそ、この時点で「アップルミント」が披露されたのだと思います。

アルバムのコンセプトである「今だからこそできる作品をつくること」が、ライブにおいても体現された瞬間なのでした。エモ。

 

既存曲メドレーと「hisakuniランド」

先述の通り、『ICECREAM GIRL』の楽曲を登場により、内田さんの持ち曲は計48曲となりました。限られた時間のなかで出来るだけ多くの楽曲を披露したい、ファンもそう願っているはず。そのような理由からか、今回のライブから"メドレー形式"が採用されました。ライブ前半では「Growing Going」「ドーナツ」「Ruby eclipse」「絶望アンバランス」が順に披露されました。

 

そして、私が着目したいのは後半で披露されたエレポップメドレーコーナー。通称「hisakuniランド」

「with you」「color station」「Floating Heart」「with you」と本当に楽しかったですね。「color station」に関しては、クリエイターの方は異なるものの、「with you」からの系譜で生まれた「Sweet Tears」というアルバムの収録曲。ライブでもブリッジの際に、最も盛り上がるブレイクから始まった点も、セトリ入りした理由が伺えます。各SNS等ではスーパーDJタイムと評されておりますが、本当に楽しいものでした。

これまで内田さんの活動を追ってきた方、新たに彼女の活動を追いかけようとしている方、双方に満足感を与える素晴らしいものだったと思います。特に、エレポップに寄ったメドレーでは、全ての始まりであり、ファンとの架け橋ともなった楽曲「with you」でメドレー始まりを告げ、同時にトリも担っていたのには素直に脱帽しました。「Floating Heart」も「Everlasting Parade」も、全ての始まりは「with you」ですからね。

また、「Yellow Sweet」「カレイドスコープロンド」と、hisakuniさん制作楽曲のextended editionに度肝を抜かれましたね。どちらも、イントロが新たに制作されており、非常に素敵なメロディを奏でられていました。

贔屓目なしに、hisakuniランドは本当に楽しい場所でした。

 

「Say Goodbye, Say Hello」に込められたメッセージ

楽曲の感想を語る前に… 以前、Twitterでこんな記事を見つけました。以下はその一部の引用です。

「1stアルバムの頃は声優としてファンが思っている内田彩を崩さないことを考えていた。でも今なら、私と私の表現がイコールで捉えてもらえる部分も増えたし、今回は声優・内田彩を意識せず歌えた曲も多かったですね」と語るとおり、デビューからの3年で培った心の変化を象徴する一作。 

今でこそ、「カレイドスコープロンド」や「EARNEST WISH」は、当初「イメージに合わないし、やりすぎじゃない…?」という制作陣の声もあったと存じています。しかし、この記事を読んだ当初は「内田さんから"声優"という意識を取ったらダメじゃない?」という考えが先行していました。

これまで、声優としてアーティスト活動をする意義、声優アーティストとしてステージに立つことに意義を置いてきた彼女。それをここで急にどうしたのかと私の頭には疑問が浮かびました。結局、この疑問は解消されず、ライブ『ICECREAM GIRL』当日を迎えました。

 

当日、日替わり曲と題して披露された「キックとパンチどっちがいい?」「泣きべそパンダはどこへ行った」をはじめとする各楽曲にその答えは存在していました。

同曲は1stライブ『内田彩 1stソロライブ「アップルミント Baby, Are you ready to go?」』にて初披露されました。当初は内田さんの緊張もあってか、はたまた曲の主人公になりきるためか、淡々と歌い上げていた記憶があります。内田彩としてのパーソナリティはあまり表現上重きを置かれていませんでした。

そして現在。今回のライブ、内田さんは【私=曲の主人公内田彩】という形ではなく、【私=主人公=内田彩】のように歌い上げました。長きにわたって、声優としての表現に重きをおいてきた彼女。これまでは、1曲1曲に対して彼女自身が表現を変えていた、言い換えれば彼女自身は作品を表現すると同時に、それに従属するものでした。

それに対し、今回のライブでは1曲1曲が彼女を構成する要素として機能し、各曲に"内田彩"というキャラクターが遍在しているような印象を抱きました。言い換えれば、内田彩そのものと楽曲のイメージが直接結びついたわけです。彼女のちょっとしたハプニング、パンダを床に叩きつける姿、オーディエンスに向かって笑顔でキックやエルボーを繰り出す姿、歌詞を即興で変更したこと。いわゆる内田さんらしさと表現されているもの。このように、彼女のありのままの姿が、そのまま楽曲の作品性に直結して表現されたことは、今回のライブで見えた大きな進化のひとつであり、「声優・内田彩のイメージを意識しなくなった」事例のひとつではないかと考えています。

 

そして、これこそが「Say Goodbye, Say Hello」で歌われた「わたしがわたしをアップデートしてく」という歌詞の意味なのではないでしょうか。

これまで歯に衣を着せず「最初はアーティスト活動なんてやりたくなかった」と語っていた彼女。それが今や、多くのオーディエンスを前に笑顔でステージを駆け回るアーティストに生まれ変わりました。この3年間で、多くの作品が世に出たことはもちろん、彼女のアーティストとしての表現力も飛躍的に上昇しました。そして今では、内田彩という精神性が作品に反映されるまでになりました。これ以外にも、今回のライブではダンスパートが増加、映像に関しても武道館公演より演出を引き継がれたものも多く、瞳で観ても楽しめるライブでした。このように、彼女の表現の次元が上がっていくことを、「アップデート」という一言が総じて物語っているのだと思います。

同曲は最終日に2回披露されましたが、今回のライブを言い得る作品、締めくくる作品として本当に適切なものだったと思います。最高でした、ありがとうございました。

 

自己実現の場としてのアーティスト活動と「Ordinary」

そして、そんな彼女のアーティストとしての精神性を表現しきった楽曲「Ordinary」。「SUMILE SMILE」と併せ、本編の最終部で披露されました。

この2曲は、初日に関しては特にカメラ目線になることが多く、ご本人が少し涙目で歌われていたこともあってか、非常にメッセージ性を強く感じました。

彼女がアーティストとして歌う意味、ファンが居てこそのアーティスト活動と語られている通り、オーディエンスの日常に寄り添い、共に歩んでいくという姿勢が全身で表現されていたのではないでしょうか。それこそ、エンターテイメントというもの自体、所詮は娯楽です。私の考えでは、ライブにお金を払っている以上、楽しんで初めてライブが成立するものだと考えているのですが、彼女に関しては少しだけ違うと思っています。今回の「Ordinary」に関しては、特にそう感じました。

もちろん、エンターテイメント性というものもあってか、元気をもらって帰るというのは十二分に意味をなし得るのですが、声帯の手術を経て、ステージの上に帰ってこられたこと。人生を掛け、アーティストとして歌を歌うこと。当たり前が決して当たり前ではないこと。内田さんのライブからは、"楽しい"という感情はもちろん、それ以上のメッセージを受け取っている気がします。いわゆる、彼女のアーティスト活動が、声優とは異なる一種の自己実現の場として成立し、オーディエンスがその姿に心を打たれる。そんな構図が成立しているのではないか。今回のライブでは特にそう感じました。そのようなプラスのメッセージが、「SUMILE SMILE」「Ordinary」の2曲には特に込められていた気がします。

 

おわりに <わたしがわたしをアップデートしてく>

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https://twitter.com/aya_uchida/status/919575041020325893

先ほど、「エンターテイメントなんだから元気をもらってナンボだ」という旨を記述しましたが、内田さんのライブに関しては特にそう感じています。、、、というと語弊がありますが、ステージ上のアーティスト、特に内田彩さんが笑顔でパフォーマンスをする姿には、本当に元気をもらっています。仕事に対する熱意や姿勢、歌声やアーティスト活動のディレクションが好きなのはもちろんなのですが、やはり御本人がステージで本当に楽しそうに歌って踊っている姿を見れるのは、本当にファン冥利に尽きるのです。

今回のライブのMC、「ずっと待ちわびていた10月14日」。「Under Control」歌唱後に叫ばれた「ずっとこの景色が見たかった!」。「緊張しても笑顔で手を振って、本当に歌っていることが楽しい」といったお言葉の数々、本当に沁みました。話は脱線しますが、2日目の「どん底を知った後の女は強いよ」といった旨は、まさに言葉の重みお姉さん。勝てません。

 

さて、私ごとですが、実は『アップルミント』が発表された当初、アルバムは所持していたものの実家のタンスでCDは眠ったままでした。

それから数ヶ月後、現在も仲良くしていただいている友人たちの勧めで「ピンク・マゼンダ」を聴き、1stライブに参加。2ndライブ「Blooming!」をはじめ、時には留学中だったドイツから武道館ライブに駆けつけることもありました。気づけば、彼女の活動を楽しみにしている自分がいたのです。

ライブもそうですが、音源でもなんでも、内田さんのアーティスト活動には本当に思わず口角を上げられてしまうエネルギーが詰まっています。あの頃は知らなかった作品が、今日までの私の道のりを彩っています。

約2年半、内田さんの活動を追ってきて、何時からかその貰ったエネルギーを何かに還元したいと思い、このブログをはじめました。

本当に私ごとなのですが、気づけばここ最近、それが少し大きな形になり、ほんの少しだけ夢が叶うようなことがありました。やはり、『アップルミント』をはじめとする内田さんのアーティスト活動のおかげだと思います。

普段は「この音が最高」なんてちょっとカッコつけたことつらつら書いてますが、やはり御本人が笑顔で楽しく活動されている姿に、どこか心を動かされているんだと思います。<わたしがわたしをアップデートしてく>という歌詞のとおり、私もこの2年で少しだけ変わるところがありました。

内田さんの活動に負けないよう、私も明日からも頑張ろうと思います。