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清水翔太が「Friday」で描き上げる、“華金”にときめく東京の夜 一人じゃ歩かせない“空耳問題”への所感も

 「この歌詞、こうやって聞こえてたけど実際にはちょっと違った」

 そんな体験、ないだろうか。たしかに、空耳を利用して同音異義語の含みを持たせた歌詞もある。しかし稀に、「実際の歌詞よりも、自分の空耳の方が歌詞として意味が通るし収まりが良い…」といった思いを抱くこともあるだろう。今回は、清水翔太が5月16日にリリースした新シングルより、表題曲「Friday」を聴いた所感を綴っていきたい。 

 

 「Friday」は、サントリービールの「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドによる、2018年金曜日プロモーション企画「The Premium Music」キャンペーンソング第1弾。待ちわびた金曜日の夜に胸が高鳴る模様を、弾むようなトラックで表現した作品だ。同曲は、R&Bと主軸として、キックや対旋律にトロピカルな音色を取り込み、Cメロではトラップ的要素が盛り込まれるなど、非常に同時代的なサウンドが特徴的である。MVは、清水が渋谷センター街、のんべい横丁、新宿ゴールデン街、歌舞伎町、お台場、丸の内などを練り歩き、ところどころに「プレミアムモルツ」が映りこむという小粋な演出も魅力的な映像だ。歌詞は“キミとボクでパーティを抜け出しちゃおう”といった内容で、二人で夜の街を歩く高揚感を、男性目線で描いている。実際にMVを観て、この作品の世界観を感じていただきたい。

 

 そんな「Friday」の2番Aメロの歌詞は以下の通りだ。

Get it with me もし怖ければ手を握るよ

Dance with me 夜はこれから

RiRiとA$APのようにはいかないんだね

ほら、迷い込んだ 出口のない迷路のよう

Baby i wanna feel you 一人じゃ抜け出せないよ

 ここでは、夜の街を<出口のない迷路>に喩えて、“一緒に歩かない?”と男性が誘う模様を描いている。本題に入るのだが、筆者はどうしてもこの後の<一人じゃ抜け出せないよ>という一節が、<一人じゃ歩かせないよ>にしか聴こえないのだ。MVにおいても、同部分の歌詞は、電光掲示板のような書体で<一人じゃ抜け出せないよ>と表示されており、歌詞における前後の文脈を取っても、“出口のない迷路のようだから、一緒に歩こう”という意味になっている。しかし、映像の舞台は金曜日を終えようとする東京の夜。おまけに、この曲を歌うのは生粋のプレイボーイ(筆者予想)こと、清水翔太だ。<一人じゃ歩かせないよ>なんてキザなセリフもお似合いであり、誰もが浮かれてしまう“華金の夜”には、そんな一言くらい吐いていただきたい。もし私が女性であれば、そのまま清水に手を握られてどこまでも一緒に連れ立つことだろう。ここでは、「いや、夜道歩けないとか家帰るときいつもどうしてるんですか(笑)」といったツッコミは野暮なのであり、この作品にはそれほどに胸躍るような魅力が詰まっていると感じられる。というか、<一人じゃ抜け出せないよ>というより、<一人じゃ歩かせないよ>と言い切ってしまったほうが男としてカッコいい気もするが、これは清水の作詞意図に反して、全くモテない私の言説であるがゆえ、おそらく彼の解釈が絶対的に正しいのだろうと強く感じている。

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 以上が、冒頭で述べた“実際の歌詞”と“思っていた歌詞”に乖離があった例である。ただ、この一節がどう聞こえていようと、清水が作詞からトラックメイクまでをオールプロデュースした「Friday」は、2018年上半期において特にハイクオリティな作品だということだ。そんな清水は、6月27日に新アルバム『WHITE』をリリースし、その全収録曲をオールプロデュースしているとのことだ。余談だが、男性アイドルグループであるw-inds.橘慶太も、近年トラックメイクに没頭しており、最新シングル曲「Dirty Talk」では、Bruno Marsが打ち立てたニュージャックスウィングのリバイバルというトレンドをいち早くキャッチアップしている。同じく清水も今回のシングルに、前作「Good Life」をニュージャックスウィングのテイストでリミックスした作品を収録。国内の最先端アーティストが、揃ってニュージャックスウィングに目をつけている点も、非常に面白いものだろう。こちらもあわせて視聴していただきたい。

 新アルバム『WHITE』を携えて、7月3日より全国ツアー『SHOTA SHIMIZU LIVE TOUR 2018 "WHITE"』をスタートする清水。追加公演として、日本武道館大阪城ホールでの3公演の開催も先日発表された。今年リリースの「Friday」や「Good Life」、そして先日の『GREENROOM FESTIVAL '18』にて、観客と一悶着を起こしたと噂のKEIJUとIO(ともにKANDYTOWN)を迎えた「Drippin’」といった楽曲をデカい音で浴びに、いずれかの公演に参加したいと強く思っている。今年の夏も楽しそうだ。