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向井太一、Gottz(KANDYTOWN)、山崎エリイ……2018年を締めくくるmasawadaさん必聴楽曲5選

 本稿は「masawada Advent Calendar 2018」に寄せたものです。

 masawadaさんとは、約2年前に本ブログを通じて知り合い、何度かお食事をご一緒させていただきました。ただ、まだプライベートなことやお仕事については未知な部分が多いので、今回は音楽の話でお茶濁しをさせていただけますと…。来年からは同じ社会人として、お酒など楽しめますと幸いです。

 今回は年末企画ということで、今年10月以降にリリースされた日本語楽曲をピックアップ。なかでも、masawadaさんに聴いていただき、次回のお話のネタにでもできれば…と考え、全5曲を紹介させていただきます。

 

向井太一「Break up」

作詞:向井太一、作曲:向井太一、CELSIOR COUPE

Co-Produced by ☆Taku Takahashi(m-flo) 

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向井太一『PURE』(通常盤)

 11月28日発売の2ndアルバム『PURE』収録曲。タイトルは、向井がリスナーに対して、“純粋”に伝えたい想いが募っていたが由来とのこと。彼の得意とするR&BAORを主軸に、現代の東京に漂う湿度の高い“空気感”を切り取った傑作。

 「Break up」は、男女の別れを描いた楽曲。その内容に反して、2ステップビートを組み込むなど、ハイテンポなトラックを用意。プロデュースを担当した☆Taku Takahashi(m-flo)が持つ記名性の高さを存分に感じ取れる。また、AメロからBメロに移る際のドライブ感は心地よく、サビ前にクレッシェンドするバスドラムもまた、m-floらしい特徴的なサウンドだ。なお、同アルバムにはmabanua蔦谷好位置をはじめ錚々たるクリエイターが集結。前者による「Haters」、後者との「Answer feat. KREVA」、Chocoholicによる「Ego」など、バラエティに富んだ楽曲が揃っている。

 

Gottz「The Lights feat. Ryugo Ishida, MUD Prod by Neetz」

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Gottz『SOUTHPARK』

 10月17日発売の1stソロアルバム『SOUTHPARK』収録曲。同作は、全編を通じてトラップビート主体としている。そのため、KANDYTOWNがこれまでリリースしてきた作品とは少々異なるイメージとなった。

 「The Lights」は、同クルーのNeetzがビートメイクを担当。ネオン街を思わせる退廃的でメロウなトラックは、アルバムのなかでもアクセントになっている。同楽曲で感じるのは、同じくKANDYTOWNに所属するMUDの立ち回りにおける器用さだ。彼は同クルーのなかでも、数多くの作品に客演として参加するなど経験も豊富。今回担当したフックでは、歌詞の末尾はタイトに韻を落としながらも、全体的には流した歌い方に聴こえるのが彼らしい。

 また、GottzとRyugo Ishidaにも触れておこう。かねてより親交のある彼らは、楽曲を通じて特に相性の良さを発揮した。Ryugo Ishidaに感じる“ロックスター”の佇まいは、ルックスを含め、クルーのなかでも“ドープ”な印象のGottzと重なる部分がある。だからこそ、同楽曲も非常に引き締まったものになったのかもしれない。余談だが、『FNMNL』でのGottzのインタビューは本当に面白いので必読。Lil'Yukichiからのビート提供のくだりはは、思わず爆笑してしまう(参考:【インタビュー】Gottz 『SOUTHPARK』| KANDYTOWNらしさは意識していない)。

 

早見沙織「little forest」

作詞・作曲:矢吹香那、編曲:前口 渉

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早見沙織『JUNCTION』(初回限定盤A)

 12月19日発売の2ndアルバム収録曲。早見沙織は同作に収録された全14曲のうち、10曲で作詞作曲を担当。彼女のシンガーソングライターとしての才能を本格的に打ち出した一枚となった。また、その音楽ジャンルはソウルやジャズを中心にしながらも、楽曲の向いている方向は外交的/内向的まで様々。アルバムを通じて、それらの楽曲を“繋いだ”のは、まさしく“ジャンクション”というタイトルの体現といえる。

 「little forest」は、アルバム終盤に収録されており、作詞作曲を矢吹香那が担当。スローテンポでほのかな陽射しを感じるような、終始に温かみを感じる楽曲だ。なかでも特徴的なのが、中盤から奏でられるジャジーなトランペット。楽曲のアーバンな印象をより前面に押し出すほか、音の厚みが増されることで約3分のミニマルさながらも、高い満足度を得られる一曲となった。そのほか、アルバムでも特にレコメンドしたのは、「メトロナイト」「夏目と寂寥」「SUNNY SIDE TERRACE」「Blue Noir」など。

 ちなみに、「little forest」を聴いて思い出されたのが、放課後ティータイム「いちばんいっぱい」や楠田亜衣奈「アイ・アム」、延いてはThe Beatles「Penny Lane」など。どれも「little forest」に似た、ブリティッシュな雰囲気を感じる楽曲、、、なのかもしれない。

 

Shiggy Jr.「TUNE IN!!」

作詞作曲:原田茂幸

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Shiggy Jr.『DANCE TO THE MUSIC』

 12月5日発売のアルバム収録曲。同作は、<ビクターエンタテインメント>移籍後、2枚目のアルバムにあたる。また、プロデューサーは音楽クリエイター集団<agehasprings>の釣俊輔が担当。全編を通じて、誰が聴いても楽しくなれるような、ダンスポップに振り切った一枚となった。

 「TUNE IN!!」は、日々の“アレコレ”を忘れて、カーステレオやラジオから流れる音楽に身を任せようと誘うパーティチューン。色調の明るいストリングスなども印象深いが、なかでも注目したいのは度重なる“ブレイク”だ。同楽曲では、“キメ”の多さがアニソンとも匹敵するほど。BAD HOPのYZERRに言わせれば、メロディラインを含め“内なるJ”を感じざるを得ない。また、今作でダンスポップに腰を据えたことから、自作の方向性も気になってくる。なお、“内なるJ”に関する詳細は参考記事の紹介で割愛したい(参考:BAD HOP、大ヒット中の新作『Mobb Life』 クルー内の共通言語「内なるJ」とは)。

 

 山崎エリイラズベリー・パーク」

作詞:只野菜摘/作編曲:坂部剛

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山崎エリイ『夜明けのシンデレラ』(初回限定盤)

 11月21日発売の2ndアルバム『夜明けのシンデレラ』収録曲。同作は、前作アルバム『全部、君のせいだ。』から約2年ぶりのリリースとなった。また、山崎エリイは昨年20歳に。今回のアルバムでは、“子供と大人の過渡期”にあるだろう彼女の心持ちを反映するかのように、歌詞の内容や取り扱う音楽ジャンルもほんの少し背伸びを感じる。それを示すのが、タイトルとなった“夜明けのシンデレラ”というフレーズ。“シンデレラの魔法”が解けた瞬間から、自身の力で未来を切り開いていくというアルバムコンセプトは、彼女のアーティストにおける現状とも大きく重なるところがある。

 「ラズベリー・パーク」は、アルバムのラストナンバー。これまで内田彩「ピンク・マゼンダ」などを手掛けてきた、作詞・只野菜摘と作編曲・坂部剛の強力タッグによる楽曲だ。また、驚くべきはその再生時間。一般的なJ-POP楽曲の再生時間は5分ほどに収まるところだが、「ラズベリー・パーク」はおよそ9分弱。既存の声優アーティスト楽曲におけるボリュームを大幅に超えている。

 単発的なピアノの打鍵から始まる同楽曲は、ベースやギターはもちろん、中盤に可愛らしいマリンバや鉄琴の音色を重ねる。その後は、エレクトロニカを交えて落ち着きを見せつつも、終盤にはブレイクコアやポストロックを意識したサウンドで、重圧なサウンドに変貌。それに伴い、山崎の歌う歌詞も〈ようこそ ようこそ ようこそ〉とシンプルに。まさに“夜明け”の時間帯を思い起こさせるような、ぼんやりとした陶酔感を感じさせる。また、山崎の歌声が徐々に“神聖さ”を纏っていくのには、コーラスを何層にもダビングしていることに理由があるのだと思われる。

 「ラズベリー・パーク」の類まれなトラックと楽曲ボリュームからは、彼女と制作スタッフがさらに実りある音楽活動を目指していることが想像できた。今年リリースされた声優アーティスト楽曲のなかでも、間違いなく指折りな一曲だ。

 

乃木坂46「帰り道は遠回りしたくなる」

作詞:秋元康 作曲:渡邉俊彦 編曲:渡邉俊彦、早川博隆 

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乃木坂46『帰り道は遠回りしたくなる』(TypeA)

 最後に、宗教上の理由(与田祐希ちゃん…)から、もう一曲だけ紹介したい。それは、11月14日発売の22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』表題曲。同作は、年内でグループを卒業する西野七瀬にとって最後のシングルとなった。

 「帰り道は遠回りしたくなる」は、別れに際する寂しさを、“強くなる”ために踏み出す一歩として前向きに捉えた楽曲だ。楽曲を通じて奏でられる透き通るようなストリングスが印象的なのだが、特に耳に残るのはBメロ終盤の譜割り。〈僕の夢は ここではないどこかへ〉という一節の1番では、〈ここ・では・ない・どこ・かへ〉といったように歌唱。ここまでの歌い回しと異なり、3連符かつ最終拍に休符をあてている。これは、最新トレンドのヒップホップにも通ずるもので、面白い試みだ。もちろん、このような細かな要素を抜きでも素晴らしい楽曲だ。しかし、「乃木坂46には良い楽曲が多い」と謳われる背景には、今回のようなギミックがあるのかもしれない。

 

 2018年は、ポップスからヒップホップ、声優アーティスト楽曲まで、数多くの喜びと驚きを感じられた一年になりました。来年もまた、実りある文化的な生活を過ごしていきたいものです。そしてmasawadaさん、2019年もどうぞ宜しくお願いいたします。

KANDYTOWNにも、本物の“シティボーイ”にもなれないまま、社会の犬へと没落しそうです。

 今まで隠してたんですけど、自分って“シティボーイ”らしいんすよ…。

 

 というのも先日、渋谷・宮下公園のあたりを歩いていたところ、岐阜から来たという男性2人に「お兄さん、この近くで美味しい居酒屋とか知らないですか?」と尋ねられ、話を聞くに「ここを通る人を何分か見ていて、一番シティボーイっぽい格好をしていた」から声を掛けたとのこと。現状の“シティボーイ”という言葉が、時に蔑称として用いられるのはさておき、その日の服装はゆったりめなブルーのL/S、ベージュのディッキーズ、HUFのオールコートでNorth Faceバックパック。たしかにスケートボーダーっぽい身なりながらも、渋谷ではあまり遜色のない格好だし、「ひょっとしたら怪しい勧誘の枕だったんじゃないか…」と頭を過ぎるも、その後は“シティボーイ”の響きから若干の悦に浸ったのでした。

 

 そんな私は東京・駒沢出身の23歳、大学4年生。就職活動も無事に終わり、バイトと音楽系のインターンシップに通う毎日です。音楽は人並みにチェックしていて(しているはずで)、好きなアーティストはYOUNG JUJU、乃木坂46内田彩。ディズニーランドは行ったことないけど、ライブは月に何回も訪問しています。そんな今年は先輩と『サマソニ』でChance The Rapperも観たし、先月は尾道にも旅行に行きました。あとは、一昨年はドイツ留学をしてピザ屋のブラザーと仲良くなったり、帰国後には毎日のように大手町でスケボーしたりと、ここまで振り返って「案外イケてるな」と内心は思っていたり。ただ、致命的なまでに顔面がダメで、喋り方もコミュ障のそれ。もちろん、彼女はいない。当然です…。

 

 ここで、冒頭の一文を全て否定します。自分はたぶん、本物のシティボーイじゃないです。たしかに、幼少期に過ごしたのは駒沢で、字面だけ見ればそこそこのクラスかなと。ただ、世の中には本当にクールなシティボーイがいて、それが東京・喜多見出身の16人組ヒップホップクルー、KANDYTOWN。先述のYOUNG JUJUも、同クルー所属のラッパーで、昨年末に<ソニーミュージックレーベルズ>とメジャーディール締結したりと、国内シーンでも有数のイケてる兄ちゃん。同じ世田谷育ちでも、彼らには勝てないですわ。

 そんなKANDYTOWNの代表曲は「R.T.N」や「Get Light」など様々ですが、どれも都会の若者に特有の“余裕”を感じさせます。特に喜多見は、下北沢〜経堂〜成城学園前〜喜多見〜狛江〜登戸といった、都内でもかなりの富裕層が住む小田急線沿いの土地柄。渋谷や新宿と遠く離れていないながらもそれほど大都会ではない、自然溢れるベッドタウン的な、住み心地の良い地域です。それもあってか、彼らの楽曲では決して都会に居座ることに拘らず、25時を過ぎたあたりで“Town”に集まり、“City”のパーティに繰り出して手早く帰路につくといった、いかにも“余裕”のある生き方を歌っています。正直なところ、リリックで深い内容が語られるのかといえば、その解像度はそこまで高くもないのですが、個人的にはそんな楽曲としての“隙間”や“空間”も好きだったり。また、クルーは全員が幼馴染で、かねてからの音楽活動も結実。結成までには仲間の逝去もありながらも、やはり成功者と評せるのでは。そんなKANDYTOWNこそが“本物のシティボーイ”であれば、私はたぶん足元にも及ばないですね。

 

 とはいえ、なんとかシティボーイとして今後を生きていきたいと、その定義を調べていたところ、以下のようなイメージ画像を見つけました。イラストがお上手。そしてなんと幸運なことか、私はこの条件のほとんどに当てはまっています。項目ごとに振り返りましょう。

 まずは職業、これは大学生なのでスルー。ちなみに内定先は出版系。続いてコーヒー、これはスタバのコーヒーが一番好きです。音楽に詳しい、これはインターンとかやっていますが、何とも言えないのでスルー。日本のラップ、IOと5lackはどちらも聴いています。ちなみにIOは、KANDYTOWNのクルーですね。あと『POPEYE』読者でもない。先述した「シティボーイが蔑称…」のくだりは、同誌を意識したので書きました。あの雑誌はエセなシティボーイばかり生み出している気がします、個人的に。そして最後に、Primeのスケボー。いや驚きました。私がスケボーを買ったのも、この内神田にあるPrimeというショップなんですね。

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 ここで思いました、「あれ、ひょっとしてシティボーイか?俺は駒沢出身のシティボーイなんじゃないか?」と。そして同時に、大切なことに気付きました。いや、そもそもシティボーイって、結局は精神性も絡むんじゃないのかと。

 

 ヒップホップにおいて、ラップのスキル云々はもとより、何よりも重視されるのが“精神性”。その定義に賛否両論はありながらも、ゼロ年代ではMACCHO(OZROSAURUS)ら、テン年代ではANARCHYやKOHHが高い評価を得ているのには、やはりどこかストリート育ちの精神性にヒップホップ独自の美学を感じるからなのかもしれません。つまり、プロフィール上でいくらラッパーを名乗っても、それに足る精神性が備わっていないと意味がないのではないかと。

 

 翻って、それはシティボーイも同じなのではないでしょうか。KANDYTOWNクラスだけが本物のシティボーイだとすれば、それは物凄く限られた定義です。ただ、ここまで幅広くその言葉が用いられているのであれば、もう少し解釈は広げられるでしょう。一般人クラスでも、シティボーイには分類されそうです。それでは、これで晴れて私がシティボーイになれるのか。なれません。いや、だって自分、かなり前に「致命的なまでに顔面がダメで、喋り方もコミュ障のそれ。もちろん、彼女はいない」って書いてるじゃないですか。自分に自信のないシティボーイとか、ダメでしょ。

 

 インターネットが全国に普及した2018年。若年層のLINEユーザーは99%にまで登ります。とは言いつつも、やはり都会と地方都市ではどうしても“文化的格差”を埋められることはできないのが現状です。ライブとかアパレルとか見れば、東京にはあって地方にはないみたなのばかりじゃないですか。東京では毎週クラブのゲストで見るラッパーも、地方には年に数回しか来ないみたいなの、ザラですよね。

 

 それを踏まえると、私は全国の若者の枠組みから見れば、どちらかといえばKANDYTOWN寄りで文化的な人材だと思います。それでも、あくまでそれはプロフィール上のみ。そこに精神性が備わっていないから、いつまでも彼女ができない腐れ大学生のまま、社会の犬へと没落するのでしょう。先日の岐阜からいらした方々、あなたたちのコミュ力をもってすれば、私のシティボーイ性などワンパンで崩れ落ちますよ。

『乃木坂46 真夏の全国ツアー2018 ~6th YEAR BIRTHDAY LIVE~』に参加してきました。

 『乃木坂46 真夏の全国ツアー2018 6th YEAR BIRTHDAY LIVE~』初日・明治神宮球場公演に参加して参りました。 2018年、遂にメジャーでいま一番大きな流れともいえる乃木坂46のライブに初参加。端的に言ってめちゃめちゃ楽しかったです。

 

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 一番のハイライトとしては、「裸足でSummer」の大サビ前での出来事。それまでふらっとステージを見ていたところ、隣の兄ちゃんが「盛り上がらないと損っすよ!」と、新内眞衣さんの推しメンタオルを渡してきて爆笑しました。久々にライブで拳を上げたのですが、上半期には感じられなかった量のアドレナリン出て良かったです。あと、齋藤飛鳥さんマジ可愛いですね。 そのほかにも、どしゃ降りのなか、自分の目の前に敷かれた花道で星野みなみさん~西野七瀬さん~白石麻衣さんが笑顔で踊られていたり、アンダーナンバーも良曲揃いだったりと、見所満点でした。特に、与田祐希さんはどこから見ても、どこから映しても可愛い。ウソだろ、と思わされたレベルです。

 

 野外でのライブ、さらにどしゃ降りのなかというとても開放的なシチュエーションで、きらびやかなシンセサウンドでグループが新たなステージへと進むため、そして当時新規加入の三期生に夢を追い続ける大切さを語った昨年リリースの「逃げ水」(ちなみにセンターは三期生の大園桃子さんと、私の好きな与田祐希さん)~西野七瀬さんセンターのAkira Sunsetクレジット「今、話したい誰かがいる」~後期U2のサウンドにリスペクトを表した、コンテンポラリーダンスを吸収した最新曲「シンクロニシティ」~初の神宮球場で生駒さんの絶叫と共にライブの幕を下ろした「太陽ノック」と、代表曲のクリーンナップとともに、照明が照らされるステージを前に、ただただ雨を浴びて夜空を見続けている時間が本当に最高でした。

 

 ここまで長く綴ってしまったように、久々にヘッズのキモチ、ライブ中にふいに我を忘れて空を見上げてしまう瞬間が度々ありました。それこそ「乃木坂46」という、おそらく今この国で最もメジャーな名前(=記号)の音楽、当初はあまり興味が湧かなかったのですが、本当に良かったです。「インフルエンサー」とかリリース当初は……。ただ、実際にライブを体験してみると、当たり前ですがCMや街鳴りで抱いた印象とか異なるものが多々ありました。

 

 メンバーの卒業と加入を繰り返し、メンバーの循環を欠かさず、同時にグループとしての充実を感じさせてくれる乃木坂46。続くリリースやライブも本当に楽しみになりました。次もファンとして行きたいです。最後に、とても良い時間を過ごせました、ありがとうございました。

内田彩が届ける、“So Happy”なひと夏のはじまりーー全曲バンドアレンジで臨んだライブツアー初日公演

 内田彩が全国を繋ぐ、“So Happy”なひと夏がはじまった。

 

 内田彩が、6月16日にパシフィコ横浜国立大ホールにて、自身2度目となる全国ライブツアー『AYA UCHIDA LIVE TOUR 2018 ~So Happy!!!!!~』を開催。同公演は、内田が5月9日にリリースした2ndシングル『So Happy』を携えてのものとなり、コンセプトとして「“So Happy”な想いを全国に繋ぐこと」が掲げられているとは内田の言葉。同日のステージからも、そんな彼女の想いがパフォーマンスから存分に感じられる内容だった。

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 この日のライブは、タイトルナンバー「So Happy」で幕開けに。80’s R&Bディスコサウンドを踏襲した軽快かつシティポップ感のあるサウンドに、「間違えてEarth Wind & Fireのライブに来たのかと思った」と、終演後にこぼしたファンもいたようだ。

 

 挨拶代わりにデビュー楽曲「アップルミント」を放った内田は、この日のライブに彼女の地元・群馬県より、「(ご当地キャラクターの)ぐんまちゃんが遊びに来ると言っていたのに、姿が見当たらない……」とコメント。「ぐんまちゃんは何処に行ったのか……探しに行こう!」という前フリを挟み、「泣きべそパンダはどこへ行った」もとい「泣きべそぐんまちゃんはどこへ行った」を披露した。続いて、ぐんまちゃんを自転車で探す歌として「いざゆけ! ペガサス号」を、海を渡りぐんまちゃんを探す歌として「Go! My Cruising!」を歌い上げた。ぐんまちゃんパペットを操る彼女の姿や、これまでのライブにはなかったミュージカル風の前フリなどハイライトは様々だが、思い返せば、このブロックは巨匠・佐々倉有吾による信頼に満ち溢れた世界観が展開されていたことも付け加えておきたい。

 

 ライブコンセプトとして掲げられた「ぐんまちゃん探しの旅」が行われたのも僅か、ここからはバンドアレンジにより楽曲の魅力が存分に引き出された「Merry Go」と「ピンク・マゼンダ」で、自身の女の子らしさ溢れる世界へとファンを誘う内田。「Merry Go」では、落ちサビ前にアレンジを加え、高らかなロングトーンを披露。一方の「ピンク・マゼンダ」は、原曲よりも音数が遥かに加わり、オケのドラムがブレイクビーツに近くなるなど、エレクトロナンバーとしての強度をさらに増していた。大サビ以降では、バンドメンバーが各パート楽器を懸命にかき鳴らす姿が見られたほか、アウトロには原曲にはないクリック音が挿入されるなど、非常に驚かされる場面が多く存在した。また、この後の「Close to you」では、衣装替えでステージを一度後にする内田のため、アウトロの数小節でわざと音数を減らしたアレンジするなど、この日のライブではとにかく、“内田彩 ライブチーム”の本気度合いを感じさせられた。

 

 本編中盤には「with you」「Yellow Sweet」「カレイドスコープロンド」を順にドロップし、前回のバレンタインライブに続く伝説の“hisakuniランド”を開園。「Yellow Sweet」と「カレイドスコープロンド」は、初のバンドアレンジでの披露となったほか、「カレイドスコープロンド」は続く「Like a bird」以降の楽曲に対して、クラブナンバーとロックサウンドを繋ぐ潤滑油の役割を果たしていた。序盤に披露された「いざゆけ! ペガサス号」や「Go! My Cruising!」と同様、内田はライブのたびに各楽曲の担う役割を変化させ、様々な表情を魅せてくれるから面白い。これは彼女のアーティストとしての成長とあわせ、声優として様々な役柄を演じた経験からくるものなのだろうか。

 

 本編終盤、全てを肯定する泣きメロの傑作「Blooming!」と、ライブを経るごとにファンとのバイヴス交換チューンへと立ち位置を変えつつある名曲「SUMILE SMILE」、そしてこの日初披露の新曲「Sweet Little Journey」が演奏された。「Sweet Little Journey」は、軽快なピアノの旋律が特徴的なスカナンバー。曲中には、<Holiday>や<スニーカー>(「スニーカーフューチャーガール」より)など、内田による過去の発表作品に登場したキーワードが散りばめられているほか、<そう全部全部 / 夏が私になる>という、今回の全国ツアーの旅路とも重なるエモーショナルな歌詞も用意されている。この日は、メロディに似つかわしい軽快なバックステップを披露したり、落ちサビでは舞台後方に、花火を模した赤と青の細かな照明が点滅するなど、ステージ全体を使って曲中で描かれる小旅行の模様を届け、本編は終了となった。

 

 アンコールは、TVアニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』のオープニングテーマとなる新曲「Bright way」よりスタート。この日のライブに関する所感を述べたMCを挟み、ラストナンバーには、昨年10月開催のアルバムリリースライブを経て、アーティストとして内田の抱く真摯な想いがコンテクストとして付与された「Say Goodbye, Say Hello」が選ばれた。<はじめましてと / 何度でもさよならを>という歌詞が、これから各地で交わされるファンとの交流を期待させつつ、“So Happy”な笑顔とともにこの日のステージは閉幕に。最後に内田は、「声優として、歌手として、これからも“So Happy”を繋げていけたらと思います!」と締めくくった。

 

 初のライブ全編を通じてのバンドアレンジに挑戦した今回のツアー初日公演。「Merry Go」や「ピンク・マゼンダ」のアレンジを通じて象徴されたように、内田のアーティスト活動に対して、内田本人は勿論、彼女を支えるバンドやスタッフの抱く高い熱量を感じることができた。バンド紹介コーナーにて、SHiN(Dr)が語ったように、今回のライブツアーを通じて、チームとしての一体感や団結力もますます育まれることだろう。これは筆者の願いだが、「Yellow Sweet」や「Close to you」は、ストリングスを招いて披露される機会が待ち望まれる。

 

 アンコールで少しの寄り道をしつつも、「ぐんまちゃんを名古屋の方で見かけたそうなので、次は名古屋に行ってみたいと思います!」と本編終了時のMCにて語った内田。来たる8月の地元凱旋公演までに、ぐんまちゃんを見つけることは果たして叶うのだろうか。その行方を見守るのも、また全国ツアーだけにある面白さのひとつなのだろう。とにかく今は内田彩が全国を繋ぐ、“So Happy”なひと夏がはじまった喜びを噛み締めたい。

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清水翔太が「Friday」で描き上げる、“華金”にときめく東京の夜 一人じゃ歩かせない“空耳問題”への所感も

 「この歌詞、こうやって聞こえてたけど実際にはちょっと違った」

 そんな体験、ないだろうか。たしかに、空耳を利用して同音異義語の含みを持たせた歌詞もある。しかし稀に、「実際の歌詞よりも、自分の空耳の方が歌詞として意味が通るし収まりが良い…」といった思いを抱くこともあるだろう。今回は、清水翔太が5月16日にリリースした新シングルより、表題曲「Friday」を聴いた所感を綴っていきたい。 

 

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KEIJUが「Let Me Know」で示す、メジャーアーティストとしての“自信”と“矜持” 清水翔太との関係性からも考察

 KEIJUが、5月16日にメジャー1st配信シングル「Let Me Know」をリリースする。KEIJUは、昨年12月に<ソニーミュージック・レーベルズ>とのメジャーディール締結を果たし、今年1月には渋谷 SOUND MUSEUM VISIONにて『KEIJU as YOUNG JUJU Presents "7 Seconds" Supported by PIGALLE』を主催。まさに今、メジャーアーティストとしてのスターダムを着実に駆け上がっている最中だろう。本稿では「Let Me Know」を題材に、KEIJUのシンガーとしての一面や、前作「Right Now」までとの心情の変化へ考えを巡らせたい(以下、Spotifyにて公開中の音源あり)。

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KEIJU as YOUNG JUJUが歌う、現代都市生活における“孤独” 最新作「Right Now」を踏まえ考察

 <I know, I know, you don’t wanna be alone>………現代の都市生活は、便利で、満たされていて、そしてどこか孤独だ。

 

 DJ CHARI & DJTATSUKIが、ヒップホップクルー・KANDYTOWNよりKEIJU as YOUNG JUJU、BAD HOPよりYZERRを迎えてリリースした新曲「Right Now」。同曲は、今年1月に<ソニー・ミュージックレーベルズ>とのメジャーディールを締結したKEIJUにとって、貴重な一作となった。これは、同曲がメジャーアーティストとして参加した第1作だからという陳腐な理由ではなく、彼が2017年に築き上げたひとつの“都市論”が、そこに内包されているからだ。

Right Now (feat. KEIJU & YZERR)

Right Now (feat. KEIJU & YZERR)

  • DJ CHARI & DJ TATSUKI
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 KEIJU(当時の名義はYOUNG JUJU)は、昨年5月にtofubeatsが発売したアルバム『FANTASY CLUB』にて、収録曲「LONELY NIGHTS」に客演参加。同曲は、昨年リリースされた国内ヒップホップにおいてアンセムと評され、瞬く間にYOUNG JUJUの名を世に広める契機となった。『FANTASY CLUB』は、この時代における「分からなさ」をストレートに表すことをテーマとした、自己内省的でパーソナルな作品だ。そんな同アルバムの制作時、tofubeatsは若手ラッパーを客演に迎えた楽曲を設ける意向を示し、彼と同じく<ワーナーミュージック・ジャパン>に所属、当時クルーの名前を冠したメジャー1stアルバムをリリースしていたKANDYTOWNの一作品と出会う。これが、同アルバム『KANDYTOWN』には収録されず、彼らのフリーライブにて後に配布となった「Song in Blue Remix」だ。同リミックス曲に参加したYOUNG JUJUは、自身のヴァースでオートチューンを使用し、凛とした歌とフロウの狭間を漂うような声に、tofubeatsを含む多くのリスナーが魅了された。これが決め手となり、tofubeatsはYOUNG JUJUを自身の作品へと招待したという。また、同曲のリリックに目を向けると、<やりたい放題 君はもういない>や<あの時 俺はなぜ let you go>など、恋人との別れが歌われており、歌い手の“孤独”な姿が思い描かれる。

 

 そして「LONELY NIGHTS」でも、YOUNG JUJUはオートチューンを用い、憂いもありつつ、とてもエモーショナルなヴァースを披露。冒頭で紹介した<I know, I know, you don’t wanna be alone, yeah>というリリックのように、『FANTASY CLUB』の世界観に寄り添い、満たされながらもどこか“孤独”を感じる、都市生活で微かに感じる寂しさを歌った。スマートフォンで世界中の誰とでも繋がれる現代でも、やはり一人の時間はやってくるのだ。

 

 さらに「Right Now」には、KEIJU as YOUNG JUJUとして客演参加。BAD HOPにおいて作品のディレクションを担当し、「Ocean View」や「Life Style」などで見事なまでにオートチューンを使いこなしたYZERRとともに、作品に華を添えている。同曲では、KANDYTOWNの作品では多く見ないオートチューンを使用することで、ソロアーティストとしてのオリジナリティを確立し、同時にメロディを歌うこともできるシンガーとしてのポテンシャルも感じられた。そんな「Right Now」のリリックは、別れ際の恋人への想いが<訳もなくまた I miss you>などのリリックでストレートに歌われており、フックでは<Baby, I don’t wanna be alone>とも歌唱。オートチューンの使用を始め、「LONELY NIGHTS」では<you>(=君)だった主語が、<I>(=俺)に置き換わっており、同曲へのアンサーソングとも受け取れる。まさに現代を生きる若者(=シティボーイ)であるKEIJUが、“孤独”になることへの不安を歌うからこそ、このテーマがよりリアルなものとして響くのだろう。現代の都市生活を考える上で、“孤独”という要素は切っても切れないのだと、tofubeatsやKEIJUは音楽を通して伝えているのかもしれない。

 

 そんなKEIJUは、1月28日に初の主催イベント『KEIJU as YOUNG JUJU Presents”7 Seconds”Supported by PIGALLE』を開催し、今後はメジャーシングルをリリースするとのこと。tofubeatsも、TVドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京)に主題歌「ふめつのこころ」を書き下ろしたほか、同ドラマの劇伴も担当。今後さらに活躍の場を広げるであろう2人が、2018年には何を歌うのか。そこには、今を生きる上でのアンサーとなる鍵が隠されているのかもしれない。